ぜんぜん「ストーミング」しないブレストを劇的に改善する!

 

仕事で多くのブレインストーミングに参加しますが、本当にブレインがストーミングしたところを見ることは非常にレアです(笑)

 

「アイディアの否定はしない」「Yes, andでひとのアイディアに乗っかる」「適度な人数・時間」など最低限のルールは準拠しているのですが、出てくるアイディアは予想された範囲内で、ぜんぜん「発散」しきれません。こうした状況はきっとみなさんの職場でも起こっているのではないでしょうか。

 

ルールは守っているにも関わらず、まったく発散できない理由はなんでしょうか。

 

ファシリテーターが上手にアイスブレイクできないから? そもそも参加者のクリエイティビティが少ない? 原因は様々挙げられますが、実はほとんどのケースで起きているのは、主催者がどのようなアイディアを期待しているかが見抜かれていることが原因です。参加者はブレストのテーマから主催者の意図を察知して、なんとか良い答えを出してあげようと思う(または出さないといけない!)がために、逆に参加者の想像の範囲を超えるようなアイディアは一切出てこなくなっているのです。つまりブレストと言いながら、すでに普通のお仕事と変わらない状況がになっていると言っても良い状況です。

 

事例でご紹介しましょう。

 

みなさんはスマートフォンの「ボイスレコーダー・アプリ」の技術を使った新製品・新サービスを考える担当者だったとします。良くある失敗は、そのまま「ボイスレコーダーの技術を活用した新たらしい製品を考えてください」とテーマ設定してブレストを開催することです。こうしたテーマ設定では、参加者は一生懸命ボイスレコーダーとスマホの機能を見つめて、足したり掛け合わせたりしながらアイディアを考えます。

 

しかし、期待されているアイディアは「これまでにない画期的なボイスレコーダー」だろうと参加者が自ら「制限」を書けた瞬間に、せいぜい「録音した音声を、遠隔地のひとへボイス通知する」などという「スマホかけるボイス」なら誰でも思いつきそうなアイディアだけが出てきて終わってしまうのです。この程度ではブレインがストーミングしたとはとても言えません。むしろオズボーンのリストなどを使って担当者がひとりでアイディアを考えていた方がよほど効率的です。

 

こうした事態を、ファシリテーターやメンバーを入れ替えることなく、劇的に改善する方法があります。

それは、ブレストテーマを徹底的に「抽象化」するのです。

 

例えばボイスレコーダーには「ボーズ録音」という、音が途切れたら録音を中止するという機能があります。この機能に絞って、抽象化されたテーマによるブレストをやってみましょう。

 

音が途切れ途切れになるという特徴を図にすると、このようになります。

 

wave_figure.001

 

 

 

 

 

 

 

 

この図を使ってブレストするのです!

参加者には、

「これは音の強弱を表した図です。音が大きくなったり小さくなったりしていますが、それはどんな場面だと思いますか。どんな場面でも構わないので挙げて見てください」

とだけ問いかけます。

 

すると、ファシリテーターがボイスレコーダーのアイディアを募っていると「感づいていない」参加者からは、実に多くの自由な発想が出てきます。例えば、

 

「遮断機とかのことですよね。電車が近づくと鳴って、通過すると鳴り止む」

「あー、じゃ信号のとうりゃんせとかも同じですよね。青に鳴ると鳴って、赤になると鳴り止む」

「ボクが苦しんでるのはサーバーのファンですね。負荷が上がるとウィンウィンうるさくて!負荷が下がれば鳴り止むんですが」

「夜中の赤ちゃんの泣き声とかじゃないですか。泣いたり泣き止んだりっていうイメージですが」

「だったらうちの旦那のいびきこそこの波形にピッタリ!地響きが聞こえてきたら寝返りさせてやると収まるのよ・・・」

「こないだ泊まったビジネスホテルで部屋がエレベータの近くでうるさくて!!!音に例えるとまさにこんな感じだったはず!!!」

 

 

さて、いかがですか。みなさんならこの中からいくつアイディアの種を拾うことができましたか?

例えばいびきであれば、寝るときにセットしておくと、いびきをかいたときに録音してくれるというアプリ(ずっとベストセラーです)のような発想にたどり着くかもしれません。

また、赤ちゃんの泣き声ならば、これもベストセラーとなっているベビーモニターのアプリ版かもしれません。いずれにしても「ボイスレコーダー」という枠を取り払ったからこそ生まれるアイディアです。

 

以前、アンケートを取るときにも、意図を悟られると「善意のウソ」のフィードバックが返ってくるという記事を書きましたが、ブレストも基本的には同じです。いずれのケースにしても、協力者からいかに「悟られない」ように抽象化するかが最大のポイントです。この作業さえ上手くいってしまえば、参加者のタイプを変えながら繰り返しブレストを実施することで、いつかは飛躍した素晴らしいアイディアにたどり着くことが出来るのです。

このようなブレストが出来るようになるには、実際に体験するのがベストです!

今週末に開催されるStartup Weekendは、久しぶりの「テーマ・イベント」です。今回は「パーソナル・クラウド」というテーマで飛躍したアイディアを創出します。

 

わたしもコーチとして参加しますので、ご希望があれば上記のような抽象化作業のコツについてもアドバイスしようかと思います。アイディアを形にしたいと思う起業家思考の方のみならず、大企業の新規事業開発をブレストでブレイクスルーをしたい方にとっても最高の体験になるかと思います。

 

良いアイディアで優勝すれば賞品(50万円相当!)も出るイベントですので、すでにアイディアをお持ちの方だけでなく、ブレストで良いアイディアをひねり出さなければならないというミッションをお持ちの方はぜひ参加してみてください。今までには体験したことのない「Eureka!」に出会えるかもしれません。

 

イベント詳細とお申し込みはこちらから

http://startupweekend.jp/swtokyo-personal-cloud/

 

 

いずれにしても、ユーザや参加車から有意義なフィードバックを得ようとしたら、

1.ゼッタイにバイアスをかけない

2.ゼッタイに意図を悟られない

を守ってみてください。必ずこれまでの成果から大きく改善するはずです。

 

 

 

 

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